(仮)

好きなことを好きなだけ語るためのブログ

「好きである」ことと「応援する」こと

オーディションというのは、「好き」という気持ちを、「応援する」という行動にさせる装置、なんだと思う。

 

 

 

どうもロビです。どうしよう、ド頭に結論を書いてしまった。

ここからだらだら書きますが、要するに言いたいことは上の一文でほぼ全部です。

あとは概ね、ただ昔話をしている回なので、もし、気が向いた方がいらしたら、おつきあいください。

 

 

 

約5年前、産まれて初めて自分に、「推し」という存在ができた。

それまでにも、例えば好きなアーティストとかスポーツ選手とか、マンガや小説の登場人物、あるいはその作者とか、ファン的な観点で好きな人、というのはたくさんいた。でも。

『気まぐれプリンス(水貴智哉)』というアイドルは、私にとって、それらとは明らかに違う存在になった。

ここで、「水貴智哉」という名前を括弧書きでわざわざ付記しているのは、自分の中でその大きな転換点になったのが、トラフィックライト。のメジャーデビューだったからですね。オリコンのランキング順位という、数字で自分たちにもはっきりと結果が目に見える、そして自分も少しはその実現に貢献できるかもしれない、だけど自分の力だけではどうしようもない、「目標」が設定されてしまったこと。

当時の興奮、焦燥感、絶望、熱狂は全部、今でもリアルに思い出せるし、触れるとヒリヒリする。

楽な記憶ではない。けど、私にとっては、自分がその人を「推す」に当たって重要なプロセスだった、と思っているし、大切な記憶です。現場に通えるだけ通って、ファンレターを書くようになって、SNSにリプ、コメントをするようになって、ライブを見るだけでなく接触(今でいう特典会)で言葉を交わすようになって、CDをたくさん(※当社比)買った。あのメジャーデビューがなければ、恐らく私は、自分の好きな範囲で気まぐれプリンスのダンスが見られれば満足、という、それまでと同じく、いわば自己完結的に、かつ受動的に、与えられるコンテンツに対する「好き」を楽しんでいられたのだと思う。「目標」を達成させたい、して欲しい、と思ってしまった瞬間、「好き」が「応援する」という行動になり、駆り立てられる気持ちの量も注ぐエネルギーも、あとまあ直截的にいえば使うお金も、それまでの比ではなくなった。

 

自分にとってはこのトラフィックライト。が最初の経験だったけど、勿論これに限らず、MeseMoa.というグループ・あるいは気まぐれプリンスというアイドルは、たくさんの挑戦を繰り返していて。その中で私が身体で覚えたのは、「応援する」というのは、目標を達成した時の嬉しさだけではなく、叶わなかった時、上手く行かなかったときの悔しさも共有する(または、共有させてもらっているつもりになる)ことなんだ、ということでした。例えば、好きなアーティストが、何かの選考に漏れて大きなイベントや番組への出演を逃したとして、それを「見られないのか、残念」で終わるのではなく、自分が見られるのかどうかとは別に、「選考に落ちたことが悔しい」と感じること、その「悔しい」の共有まで含めて、エンターテインメントであること。

私にとって、推しを推す、というのは、そういうことなんだ、と思っている。

 

 

「応援する」という行動の形は様々で、チケットやCD、円盤、グッズを買うこと、推しの魅力やライブ・イベントの感想を発信すること、周りの人に布教すること、動画の視聴数や高評価とかSNSの反応とか、色んなものがあるけれど、いわゆる視聴者・ファン参加型のオーディション、というのは、「応援」をシステムに取り込んで数値化しようとする最たるものだと思う。システム化するにあたって、どんな「応援」の行動をクローズアップしてどんな方法で換算するかは、それぞれ主催者の考え方と技術次第だけど、そこで測られるのは「好き」の数ではなくて、「応援する」と決めてそれを行動に移した人の数と、その行動の量だ。

「好き」は自然発生でコントロールできない感情かもしれないけれど、「応援する」は行動だから、私たちは、その一歩前で色んな判断をして、意思決定をしている。その結果が「好き」と完全にイコールかというと、そうではないこともある。

 

 

どこかでまとめて書きたいなと思いつつタイミングを逃し続けて現在に至る別の昔話を、ここぞとばかりここでします。そう、約3年半前、MeseMoa.ベイビーズオーディションの思い出話ですね。

しかし、この話をブログでするなら当時のツイートを掘り起こしてきて引用しながら振り返る構成にしよう、と目論んでいたのですが、いざ自分のツイート発掘してみたら諸事情により使えるシロモノじゃなかったので、ふわっとした記憶でやります。過去の私へ。せめて最低限のエゴサ避けをしなさい(※学んでない)。

 

そのオーディションの二次審査、ファン投票の開始に当たって公開された、歌とダンスの課題曲の応募動画を頭から順番に見始めた私は、50音順で並んでいたかなり序盤の人の歌の動画を思わずリピート再生してしまった。その時点ではまだ、全員見終わった時にこの人が自分の中で一番のままでいるという確信は別になかったはずで、おいおい最初からこんな止まってたら全員見終わらんぞ、と自分にツッコミを入れて先に進んだ記憶がある。なのに、当時の自分の審査員ごっこメモを見ると、その人にずば抜けて高評価をつけていて、紆余曲折を経てその人が推しになった今となって改めて見ても若干ちょっと吃驚するというか、そうだったの私?ってなりますね。いやいいんだけど。結果オーライ。

でも、だからといって、その後の投票で最初からずっとあづくんだけに入れていたのかというとそうでもなく。動画を見て気になった人や好きかもと思った人を何人かピックアップしていて、その時の投票システムはよく覚えていないんだけど、確か毎日投票できるような仕組みだったので、その何人かのうち誰かに、その日の気分とか、上がった動画とかSNSとか配信とかによって何となく投票する、という感じだった。あづくん以外に、少なくとも祐矢くんとようたみさんには比較的高頻度で投票していた記憶です。過去の私へ。わかるよ。

投票の仕方が変わったのは、中間発表からだった、と思う。

その時のファン投票は、この中間発表まで、順位も獲得票数も公開されない方式で。ここで順位を見た自分の率直な感想は、「噓でしょう?」だった。いやいやいやこの人そんな当落線上なの。だってあの歌声だぞ、わりと天才じゃないのか。二次で落ちるかもとか嘘でしょう、端的に言って、嫌だ。

そこから真面目に毎日投票するようになるわけですが、この段階で好きになっていたのかと聞かれると、そうじゃないんじゃないか、という気がする。多分、当時の私は、この人が好きというより、自分が良いと思ったものに思ったほど評価がついてきていないことが悔しかったんだと思う。結果、「好き」になるより先に、「応援する」を体験してしまった。

話を進めます。その後、オーディションファイナルを自分は見に行くわけですが、ここで自分の中でもう一波乱ありまして。私は、この日、グループ演目『コスモ』を見て、ガオたいがさんという方のダンスに、ほとんど一目惚れをするんですね。踊りが大きくて魅せ方が華やかで、こんなかっこいいダンスをする人がいるのに、なんで二次で応募動画を見たときノーマークだったの自分!?ってなった。最終合格発表で、あづくんの名前が呼ばれたときはすごく喜んだ記憶があるけど、えっあの凄いダンスの子受からなかった……というのが衝撃で。

そして、その衝撃を引きずったままお披露目イベントを干したら、そこでたいがちゃんのサプライズ追加合格が発表されるわけです。過去の私へ。だから行ける現場は行ける限り行っておいてくれ頼む(※これはわりと学んだ)。

 

その後、そのまま私がストンとパンダドラゴンにハマり、あづたいが推しになっていてくれれば話は早いし、初期の定期公演で披露した伝説のカバー曲の数々も目撃できていたはずなのですが。実はそうではなく、パラゴンの現場に行くようになるまでに結構タイムラグがあったり、あづくんが推しに固まるまで2年近くかかっていたりするので、なんというか、人生というのは簡単にいかないものですね。

「応援する」が必ずしも「好き」とイコールかというと、そうとは限らない。「好き」は自分と相手がいれば完結する感情だけど、「応援する」行動の多くは外に対する働きかけだから、それをするとき自分は、相手を見る以上に、その相手を通して映る「世界」を見ている、きっと。

 

 

最後に少しだけ、今年の話。

今回のオーディションで、結局、私がはるきくんをずっと応援してしまうのは、そういうことなんだろうなあと思っている。

歌が上手くて、圧倒的に上手くて、それも技術だけじゃなく、何を歌っても自分の歌にできる力があって、そこに異論は恐らくあまりなくて。歌に比べれば得意なイメージがあまりなかったダンスも、ちゃんと仕上げて完成度の高いパフォーマンスを作り上げているのが見ていてすごくわかる。MCを背負ってきた安定感とキャラクター。何より、出てきた瞬間に、向日葵が咲いたみたいにステージが明るくなる、あの華やかな存在感。

私は、この人が好き、という以上に、「アイドルのオーディション」でこういう人が評価される世界が好き、なのだ。こういう人が、ちゃんと認められてデビューを掴める世界が見たい。綺麗ごとでも夢物語でも。夢物語を信じさせてくれるのがアイドルなんじゃないか、と思っている節があるので。

楽しみです、デビュー曲とか。その先の世界も見たいって思う。

 

 

 

 

 

7月、あと少しで終わりですか。早いね……。