(仮)

好きなことを好きなだけ語るためのブログ

旅に出る。(2022)

アイドルの「ファン」「追っかけ」というような趣味、生活になって、もうすぐ6年。
この6年で、私の人生は全然違うものになってしまった。6年前の自分が今の自分を見て「これが未来のあなたです」、と言われたら、吃驚しすぎて言葉も出ないんじゃないかと思えて可笑しい。
例えば。


6年前の私は、旅行が好きではなかった。


まず私は、集団行動が苦手だ。人と会うのも話すのも全然嫌いじゃないけど、一日(~数日)常にずっと一緒に誰かと行動しなければいけない、という縛りが苦手。学生時代から、別に友達がいなかったわけではないのに、思い返せば修学旅行その他の集団行動系の行事は基本的に心を無にして乗り切っていた。
かといって、一人旅ならいいのかというと、途端に所在なくなって何をしたらいいのかわからなくなってしまう。あ、でも、水族館は昔から一人で行ってたし今も一人で行くなぁ。「これを見たい」というものが明確にあれば大丈夫なのかもしれない。

比較的頻繁に全国転勤がある今の仕事に就くときには、先輩に「転勤なんて長い旅行みたいなもんだと思えばいいよ、仕事で日本中に行けるの楽しいよ!」というようなことを言われ、そりゃ旅行好きな人はそうかもしれないけどさ、と心の中で溜息をついた記憶がある。結局就職したけど。

とにかく私は、例えばプライベートで、進んで自分から旅行に行こうと考えたり計画したりするような人間ではなかった。
東京には、美味しいものも見て楽しいものもこんなにたくさんあるし、本や漫画やTVやネット、家にいても楽しめる娯楽はいくらでもあるのに、どうしてみんな休暇といえば旅行に行こうとするんだろう、くらいに思っていた。


そんな私が、
気まぐれプリンスに出会って、この人のダンスを見るために「お金を払う」ということをしたい、という動機で初めてアイドルのライブのチケットを買って、初めて行ったむすめん。の現場は、『Thanks!』47都道府県ツアー初日のディファ有明1部で(この日の2部で『1230』の推しソロがあったことを知らずに1部だけ見て帰ったことはわりと一生悔やみ続ける案件なので触れないでください)、

次に行ったライブは、確かその年のゴールデンウィーク
同じツアーの岡山公演だった。

 

…………おいおいおい展開が急だな。

なんでそんな、いきなり岡山まで行くことになってしまったのか、実は自分でもよくわかっていない。
初めて見たライブが、自分にとってそんなにそんなに物凄く良かったのか、というと、正直に言うと、その時はまだ、そこまでの印象があった訳ではなかった、ような気がしています。ハロ曲やボカロ曲のカバーをたっぷり詰め込んだそのツアーが如何に神セトリだったかを理解するには、当時の自分には知識が圧倒的に足りなかったし、私が気まぐれプリンスのダンスだけではなく歌の進化に惹かれてどうしようもなくなっていくのは、記憶ではもう少し後、その年の夏、トラライ。のメジャーデビュー発表の前後~『新鮮!竜宮城RENBO』の初披露の頃の話だったりするし。
もしかすると、どちらかというと、当時、情報収集のためにこっそりフォローさせていただいていたイルミィ(という呼び名はまだなかったけど)の方々のツイートが、みんなすごく楽しそうで、それが羨ましくて、「自分はまだこのコンテンツの100%を受け取れていないのでは」「もっと知ればもっと楽しいのでは」という気持ちが動機になって現場を増やした節があるかもしれない。
文字にして思うけど、呆れんばかりの強欲さだな、自分。嫌いじゃないよ、そういうところ。

ともかく、事実経緯としては、初日のディファが4月にあった後、次のライブって関東だといつなんだろう?って調べたら7月の横浜で、「待てない!」ってなったんですね。
結果、7月の横浜までの間に、5月の岡山と6月の福島に私は行ってしまっている。福島は、あ、案外東京からすぐ行けるんだ…ってなって行くことにしたし日帰りだったけど、新幹線なので多分普通の感覚だとそれは遠征やぞ私。夏休みには山口と鳥取にも行って、その間の移動の電車内で今のTwitterアカウントを作るに至り、8月のフリラで秋以降のソロ回し順が発表されたのをきっかけに福岡に行くことを決め、産まれて初めて、自分で飛行機の予約をした。飛行機は新幹線と違って、直前に取ると値段が高いけど早く取れば取るほど安く取れる、ということを知るのは、それより後のことでしてね。まあいい、あのソロの『悲しみフォトグラフ』、良かったですねめーーーーちゃくちゃ良かった。

最初の頃は、ライブを見に行くのに、チケット代よりも交通宿泊費の方が高いのは理不尽じゃないか、ということに若干抵抗があった。でもそんなの、見たいものは見たい!そのために必要なお金なら払えるんだから払うよ文句あるか!の前に、いつの間にか消し飛んでしまった。
翌年のMeseMoa.の『むすめん。名前変えたってよ』のホールツアーからは、日程的に行けるライブは全部行く、チケットを取ることとセットで足と宿を押さえる、というのが基本になった。キャリーケースを転がすのが楽しい、という感覚も覚えた。このツアーが始まるときに買った青いキャリーケース、ずっとずっと使ってるお気に入りで今も部屋に置いてます。

遠征してライブを見るのが好きです。
当時のライブは2部制が普通で、加えて朝から物販に並んだりすると、時間的にも体力的にも、ライブのついでに現地の観光を楽しむ、ということは毎回できるわけじゃない。けど、それでも、予約サイトでホテルを見比べてたまには移動の便宜とか若干犠牲にしてでも心がときめいたところを予約して、何を着てどのライブに行って、特典会の時は…、って考えながら服と化粧品を選んでキャリーに詰めて、お昼はどこで食べようか、それとも美味しい駅弁を買って新幹線の中で食べちゃうか、って贅沢に悩んで、ライブ終わりに余韻に浸りながら現地の美味しいものを食べてお酒を飲んで、連日ライブのツアーなら翌日のお手紙BOXに入れる手紙をお気に入りのホテルの部屋で時にはお酒の力を借りながら書いて(よい子は真似をしてはいけません)、帰りの交通機関の中でライブの興奮と感動が溢れてるTLを眺めて、
そういうの、全部ひっくるめてすごく好き。日常から切り離されてライブに集中できる、っていう環境、すごく贅沢な娯楽だなぁと思う。大好き。


その後、自分も遂に地方赴任をすることになったときは、荷造りとか飛行機を予約して乗ることとか、に、遠征で慣れていて本当に良かったと思いました。
毎週のように、金曜の夜に東京に帰ってきて、土日はライブのために東京からまた別の地方に移動して、月曜の朝の飛行機で戻ってそのまま出勤、という生活になって、転勤を「長い旅行みたいなもの」と言っていた先輩、本当ですね、と心の中で数年遅れのリアクションをした。首を傾げられるような気がするけれども。荷造りも飛行機も、「その先に楽しいことが待っている」ことだと身体が覚えてしまっていて、それ自体で心躍るようになっていたから全然苦じゃなかった。

パンダドラゴンにどんどんはまっていったのはこの時期でした。
春先、慣れない仕事、新しく出会う職場の人とか物事が山盛りだった時期に、毎朝のように身支度をしながら『April』を聴いてた。夏のDDDPでカバーした『激LOVE』が衝撃だった話はいずれどこかで機会を見つけてしようと思ってるんだけど、その後9月の1st.ツアー、冬には『あゝ雪月花』発売を経て、迎えた2020年1月に始まった2nd.ツアー『授業参観』は、愛知も大阪も日帰りで土曜日だけにするつもりだったのに、初日の埼玉公演があまりに最高で、気づいたらどちらも日曜日のチケットと宿を押さえていた。あの、ホテル予約する瞬間って、チケット取ること自体よりも高揚する感じありますよね。「私は遠征をするんだ!」っていう興奮。私だけか。

そんなこんなで、すっかり「距離とはつまり時間とお金のこと」「飛行機を使わずに日帰りできる範囲はもはや遠征と呼ばない」と豪語する有様になっていた。
前日に届いたDVDを深夜まで見ていたら寝坊して起きたら飛行機が飛ぶ時間で、空港に向かう電車の中で後の飛行機を取り直して無理矢理ライブに間に合わせたり、ライブ帰りの新幹線が止まって車中で一夜を明かしフラフラで出勤する羽目になったり、雪で飛行機が遅れた上にようやく飛んだと思ったら上空で機器故障のアナウンスが流れて知らない空港に途中着陸したり、まあ色んなことがありましたが、懲りることなく、当たり前のようにライブがあれば旅をしていました。
繰り返しますが、本当に、アイドルの追っかけをするようになる前の自分に見せてやりたい。人間は誰かを好きになっただけで、こんなに簡単に変われるんだぞ、と。

そのさなかに、旅が、できなくなった。

 

 

ちょっとだけ弱音を吐くと、

地方赴任、しかも単身赴任の最中に移動が制限されたのは、結構正直きつかったというか、飛行機に乗れないと家族にも推しにも友達にも会えないのしんどいなあよりによってなんで今かなあ、とか、
ええと、色々あったのですが、
でも身体はあまり壊したくないので一人で家にずっといるからって酒に甘えるのもほどほどにしとけよ自分、というストッパーがかけられたのは、あづくんという推しの未来がどうしても見たいと思ってしまって、それには長生きする必要があると思ったから、というのはわりと本当でした。少なくとも君は一人のファンのアルコール依存を救ったよありがとう。

 

 

全ての現場が遠征というところに住んでいた自分にとって、チケットを取って日程を合わせて行くことができたその後の最初の現場は、ミュージカル『ファントムクエスト』の初日で、
着ていこうと思って買った服とか、パンフレットあるならそれが入る大きさで椅子の下に置ける自立するのが欲しいなって新調したバッグとか、全部身に着けて飛行機に乗れることにめちゃくちゃ浮かれて、そのくせ、本当に本当に自分は現地に行けるのか、ステージに立っている推しを肉眼で見ることができるのか、生歌が聴けるのか、何か私が現地に着くまでに落とし穴があるんじゃないか、って、信じられなくてずっと心臓がばくばくしてた。

 

 


2021年、ツアーが再開したこと、本当に嬉しかったです。
自分が遠征して行くことができたところは、まだまだ多くはないけれど、
でも、MeseMoa.のLOST NUMBERツアーの仙台は行けたし、パンダドラゴンのツアーで広島と大阪にも行けたし(不慮の事態により唯一の(予定外の)泊りの遠征がこの大阪になった。その節はTLが本当に心強かったですありがとうございました)、あ、特典会でも仙台行ったり名古屋行ったりしたなぁ。ReLitのツアーでも名古屋と大阪と行ったし。
LOVE BLOODは、セトリも演出も超好みだった上に、会場もめちゃくちゃめちゃくちゃめちゃくちゃ行きたいところばかりだったのに結局日程が合わなくなって一公演も行けなかったけど、行こうと思って宿をとって服を買った時点で既に超楽しかった。あのブルーのワンピース、今年の夏は絶対にどこかのライブに着て行ってやるんだ。

遠征が、大好きです。
日常から切り離されて推しとライブのことだけで頭いっぱいにして過ごせるのも、
荷造りも身支度も行き帰りの道程も、推しに会いに行くための全部が、ぜんぶ楽しくてめっちゃ好き。

 

2022年は、もっと、

旅がしたい。旅をしよう。好きな人に会いに。

 

 

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

2022.1.1 ロビ

 

pandadragon-tour2022.com