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好きなことを好きなだけ語るためのブログ

日本武道館、2023年3月14日(火)。曇りのち晴れ。

「ロビさんがファンになった頃、日本武道館ってどんな存在だったんですか」

「私がファンになったときは、まだ武道館は、目標って明言してなかった。」

「えっ。そうか、じゃあ、武道館を目指すって正式になったときは」

「どうだったかなあ、あんまり私はわかってなかったかもしれない。すごさが。昔は平気で、いつかドームとか無邪気に言ってたから、武道館も、もっともっとどんどん大きくなっていく途中の話だと思ってて、こういう、卒業控えたメンバーがいる、みたいなタイミングで来るものだとは思ってなかった気がする。当時はね。」

 

以上は、開演前にお茶してた友人との会話の一節ですが、そうですね、完全にフラグでしたね。ははは。ごめんMeseMoa.

 

 

 

※いつものとおり日記です。以下略。

※あと、書きたいこと書くのもいつもどおりですが、いっこだけ一応お断りしておくと、いきなりパンダドラゴンの話とかします。

 

 

 

 

 

話は2日前に遡る。

座席番号を確認したのは、大阪は森ノ宮、パンダドラゴンの新アルバム『FEBRUARY』リリース記念フリーライブの開始を待っている最中だった。

そのとき一緒にいたあづくん推し同担のフォロワーさんは、もともとハロのオタクの方で、自分は参戦できないのに、私がスマチケをDLしている隣で武道館の座席図を調べてスタンバってくれていて、席番これです、って見せて2人で大騒ぎした。ステージの設置パターンが教えてもらったうちのどれに近かったとしても、この大きい会場で、こんな良席、人生でもう二度とないかもしれない。

そのままのテンションで、その日のフリラを見た。ライブは最高に楽しくて、私はパンダドラゴンが大好きだし、あづくんの歌声が世界で一番好きだな、と思って帰ってきた。

 

2日後のMeseMoa.日本武道館公演では、パンダドラゴンをはじめ、DDの後輩グループがオープニングアクトを務めることが発表されていた。

手売りがあったとはいえチケットは完売した後の発表だったから、別の目的があることは明らかで、それはまあいいんだけど、性格悪い同盟のパラのオタクとしては、この規模のどアウェイな会場で、推しグループがどんな立ち回りを見せるのか、それも密かに楽しみにしてた。

のですが、

当日会場行ってみたら、知ってるパラのオタクわりと会ったし、あの音声ぬいぐるみ持ち歩いてる知らないオタクまあまあすれ違いましたね。いやわかるよ。私も連れて行こうかちょっと迷った。いや流石にこの思いっきり水色のバッグに詰め込むのはな、と思ってやめたけど。

 

 

 

入場して、座席についてみたら、自分の隣にセンステがあった。本当に、すぐ隣に。ちょっと想定以上に隣に。えっまじか。

というか、武道館って、こんなに小さかったのか。

 

そう、武道館って、こんなに小さいんだ、って思った。

もっと、果てしなく広くて高くて、圧倒されてしまうような大きい会場なのかと思っていた。これまで見てきたものとかけ離れた世界がそこに広がっているような気がして、勝手に緊張していた。

でも、入場してみたら、全然大丈夫だった。確かに、今までの会場より規模は大きい、それはそうだけど、ここで見るライブはきっと、今まで見てきた、私たちの推してきたアイドルの最高に楽しいライブの延長線上にあるものであって、そこに何か絶対的な、質的な乖離があるわけじゃないんだ。そう思えた。

 

大丈夫だよ。大丈夫だから、待ってる。

そう念を送って、まずはオープニングアクトの開始を待つ。

 

ネオトラが来るのはわかっていた(というか信じていた)し、

ちゃんと緑を振る、って決めていた。お気に入りの水色の(というか買った時点では水色にも緑にも見える気がしてたんだけど、沖縄に着ていったらフォロワーさんに「それはエメグリですね!」とバッサリ言われ、でも、ぷんちゃんが「めっちゃ水色やん~♪」と嬉しそうに言ったことにより水色と認定された)ワンピース着てるけど。

けど、衣装から「めせもあ。ベイビーズ(仮)」でやってきた上で終演後の写真を昔と同じ構図で上げてくるのとか、さすがにさすが、チームパラゴンの真骨頂でしたね。強くて賢い自慢の推しグループです。嬉しい。

 

 

 

本編が始まる頃には、もう緊張はなくなっていた。

 

気まぐれプリンスは、普通に最高に気まぐれプリンスで、いつものとおり宇宙一のスーパーアイドルだった。

楽しい曲もかっこいい曲も切なく激しい曲もしっとり聴かせる曲も、バキバキのダンスも、セクシーに見せつけるパフォーマンスも視線も微笑みも、苦悶の表情さえ芸術的に美しい完成度も、人肌のあたたかさを感じるあの声も、立っただけで「あっもうダンス上手い」ってわかる立ち姿も、眉毛をハの字にして口の両端が下がる泣き顔も、

何より、このライブを、ステージを、「アイドル」という天職を、心の底から楽しんでいる笑顔とそれが溢れてるみたいな全身のバネの幸福感が、もうなんか全部、普通に最高に気まぐれプリンスでした。

 

私は、気まぐれプリンスの「スキル推し」である。と言われることがある。

でも、世の中には、アイドルに限らず、たくさんのパフォーマーがいて、歌が上手い人はめちゃくちゃたくさんいるし、ダンスが上手い人…に関しては、気まぐれプリンスより上手い人はあんまりいないんじゃないかと私は個人的には思うけれども、まあそれでもきっと上手な人は世の中にたくさんいるんでしょう多分、と思って、その中でこの人がこんなに特別なのは、そして、私の推しなのは。

そのスキルがすべて、彼にとって、道具に過ぎないからだよ。

ステージを楽しむため、ライブを楽しむため、そして何より、「アイドルであること」の幸せを体現するための手段としてそれらの技術があること。それがばっちりハマっている彼のパフォーマンスを見るのが最高に大好きだ。

 

でもこの話、

確か大阪でしたはずなんですよね。上で出てくるフリラの後にあづくん推しのフォロワーさんと飲んでるとき、最近のオーディションの話題になって、そのときその人が「スピードスターは好みじゃない」という話をしてて、「ぷんちゃんはスキルのためのスキルじゃないから良い」っていう話は、その流れで言われたんだった気がする。

7年推していて、いまいちぴったりくる言語化ができなかった推しの魅力が、他グル推しのオタクの一言で突然形になることってある。その節はありがとうございました。あと、「ぷんちゃんに歌が苦手だった時なんてあるんですか?」も嬉しかったです。下手って訳じゃなかったと思うんだけど、って説明しながら完全ににやけてた。のは、きっと隠し通せたと思っている。

 

それは、日本武道館でも、というか、日本武道館だからこそ、いつもどおり抜群で、圧倒的で、キラキラで、4時間近くの公演の間、その幸せを浴び続けてた。

ライブは、というか、現場は、観るものじゃなくて、浴びるものですね。

物理的に言うと、自分の座席からは、センターステージの演目だと正面から見ていないところがかなり多くて、演出の意図したところを全部味わえたとは限らない。どの座席からでも、そういうところは多かれ少なかれあるもので、だから、「観る」ことは、現場に行く目的では本当はないんだと思う。

私にとって、その現場で「浴びたいもの」は、やっぱり歌って踊る演目だし、推しのパフォーマンスだから、今回の比較的シンプルなセットでパフォーマンスで押しまくる演出すごく好みでした。私の知っているMeseMoa.だ、って思った。

ライブ中、ずっとわくわくしていて、それがすごく嬉しかった。

 

 

 

MCは、できるだけできるだけ公演が長引かないように、みんなそれぞれ、どうしても伝えたい、本当に大切な言葉だけを選んで選び抜いたんだろうな、と思って、その結果が9人それぞれなのも良いなと思った。

横浜アリーナの発表があって、のっくんが、次はアリーナだねってオタクから言われた話に触れたときに、

ああ私は何をどこで諦めたんだったかなあ、って思った。

 

去年の6月のライブハウスシリーズの奈良公演、平日で行けなかったんだけど、私は、そこに「凱旋」というワードは使わないって決めていた。

むすめん。全国47都道府県ツアーの奈良公演で、「地元公演」という言い方をして、「凱旋」は「戦に勝って帰る」って意味だから、もっと大きくなって、奈良100年会館でできるくらいになったら「凱旋公演」をやりたい、って話していたのを、ずっとひきずっていたので。

だから、本人が「凱旋」って言って、当日の日替わり2Lにもそう書いてる、って話を聴いたときは、何なら勝手に裏切られた気分になった。しかも、後日、特典会でその話題になったときの感じだと、そのMCを忘れてるわけでもなさそうだった。

じゃあなんで?????

って考えてしまって、もしかしたら、グループのメンバーが減ることも見えてるし、この先100年会館での公演はもうできないかもしれないから、だから今回の奈良を凱旋にしてしまうことにしたんだろうか、とか、すごい一人で考えて、

 

 

 

………………馬鹿みたいだったなぁ私。

やるんなら言ってくださいよ(無茶)。6年以上も前のMCに縛られて、振り回された挙句に独り相撲で余計なこと考えて勝手に落ち込んで諦めて、馬鹿みたいじゃないですか。

 

9人での夏からのツアーの会場が順に発表されていって、今回はホールだ!ってなって、他のメンバーの出身地がいくつも入っていて、奈良は、奈良は来るんだろうか、待って公演数多くない??ってなり、もしかして、って思って画面を見てたら、本当に来て、

笑顔で振り返った推しの目に、水色の沸いているペンライトが、できるだけたくさん映っていますように、と思った。

 

 

 

横浜アリーナ、奈良100年会館。

諦めさせてくれたら楽なのに、まだ夢を見せてくれるらしい。未来の話しかしていない。

日本武道館公演、『カラメテ』のモードで行く気でいたんだけど(この曲も個人的にはでもすごく好きです)、『パシフィック展望台』と『オーロラ曲技団』だったなって思った。それは、私がずっと知っているMeseMoa.だ、って思った。

 

ぷんちゃんが、気まぐれプリンスになって良かったって言ってくれるのと同じくらい、

こっちだって、気まぐれプリンスになってくれてありがとうって強く思ってるし、

出会ってくれてありがとうって言ってくれるのと同じくらい、

出会えて良かったって思ってるよ。絶対負けてない。

まだ見ていない景色があって、それを一緒に見に行けるのが、まだ一緒に越えていける高い山があるのが、だからすごく嬉しい。

 

 

 

そういう訳で、旅の終わりは、まだまだ見えないみたいだった。

推しのいる人生、思いのほか長くて、泥臭くて、そしてとても美しい。

そうだね、長生きを諦めない、と、決めてしまえるくらいに。

 

2023.3.15 ロビ