(仮)

好きなことを好きなだけ語るためのブログ

長い旅路の

気まぐれプリンスというアイドルが、いつかステージを降りると言ったら、
いちファンが何を言っても無駄だとどんなに分かっていても、自分はきっと泣いて止めようとしてしまう、
と思っていた。
それはそうだよ。今でも。嘘じゃないよ。

でも、




でも、そうだな、








この6月は、色んなことがあった。

あの、あづくん凱旋の祝祭モード全開だったパンダドラゴンの静岡公演も、彼が名曲『気まぐれプリンス』をセトリ2曲目にぶちこみやがった聖誕祭も、まだ2~3週間前のことだ。

個人的にめちゃくちゃめちゃくちゃめちゃくちゃめちゃくちゃ楽しみにしているDDPについての諸々の情報解禁も、あの発表を知らない状態で見た記憶で、そうだMC抽選の動画が上がったのは聖誕祭の日でしたね…終演後特典会列で情報見て頭抱えたんだっけ…

それで、そのあと、

私は、平日に日程が組まれているMeseMoa.のライブハウス公演は最初から全滅が確定していたのであまり日程をきちんと把握出来ていなくて、そのあたりとの前後関係は曖昧なんだけど、自分の中の時系列でいうと、パラゴンの京都公演の直前にあの発表があったはずで、
でも、その京都に行ったのももう随分前みたいな記憶で。ああまだ1週間しか経ってないのか。嘘でしょ?
翌日の東京での撮影会には、京都から帰ってきて家に荷物だけ置いて、ほとんどそのまま行ったんだった。

「いつかその日が来たら無駄でも泣いて止めようとしてしまうと思う」という話は、その時にも話題にした。
私がそうしようと思った推しは貴方だけだ、という話は、でも多分、していないね。



推しが複数、それも別々のグループにいると、それぞれが別の時間軸で動くので、
すぐに時の流れが混乱してしまう。



みんな優しいから、「どっちの方が好きなの?」って誰も正面から聞かないなぁ(聞かれたいわけじゃないし、聞かれても答えられるわけなんてないけど)、と思って、違う、ひとりいたわ、と思い出す。

「もしかして、もう、ぷんちゃんよりあづくんの方が好きなんちゃうか~?」
「でも、それを言ったらオレはめっちゃ怒るからな?」

某ノックソ大先生にそんなことを言われたのは、もう1年半ほど前、まだ私が東京に戻ってくる前の、いつかのオンライン特典会である。
そのとき私はなんて答えたんだったかな。たぶん、「それはないです」って笑い飛ばしたんじゃなかったかと思う。まだそんなことができる時期だった。
いま聞かれたらどんな答えになるかって、それはもちろん内緒です、内緒なんだけど、


もしも、「アイドルをやめる」と言われた時に、私が泣いて止めるかもって思うのは、気まぐれプリンスだけなんですよ。
他の誰がやめると言ったとしても、「やめないで欲しい、と自分は言える立場にいない」という判断が勝つ、って思う。
やめないで欲しくても、それはその人の人生の選択で、何が幸せかそうじゃないか、決めるのはその人であって私じゃないし、何かの責任を取れる訳じゃないし、だから、「やめないで欲しい」って自分は言えない。と個人的には思っている。

でも、気まぐれプリンスという推しについてだけは、言っても許される気がしていた。

なぜか。



あの発表から約1週間、
その間に、推しや他のメンバーの話を配信で聴いたり、
他の人たち、それぞれの推しに対する思いも見聞きしたりしながら、
この発表の何が、自分にとって、「衝撃」というか「影響」というか、インパクト、だったんだろう、とずっと考えていた。
私はMeseMoa.に関しては、激単推しで、それを公言していて、ライブでも基本推ししか見ていなくて、SNSも外部仕事も基本的に推ししか追っていない。その推しは、2024年以降もグループに残って活動を続けると言っている。
私にとっては何も変わらない、と整理することは可能なはずだった。

そうさせてくれなかったのは、あの発表のブログの、推しのコメントとされる文章だった。


「1%でも楽しいと思える可能性があるならやってみよう。そう思いました。強い意思じゃなくてすみません。」


私にとっての、というか、私から見えていた気まぐれプリンスという人は、
天性のアイドルである。
アイドルとして生きること、ステージで歌って踊ることが、楽しくて楽しくて、幸せで仕方ない、アイドルさせてくれてありがとうこれが俺の人生!
それを全身で表現してくれるのが、何の曇りもなく信じさせてくれるのが、気まぐれプリンスというアイドルだった。
もちろん、かつて保育士として働いていたことは知識としては知っているし、彼ならきっといい先生だったろう、ということは、頭ではわかる。でも、私が実際に見たことのある彼は、全力でアイドルを仕事にして突っ走っている気まぐれプリンスだけなのだ。
だから、どんなに全力で推しても大丈夫だ、と思っていた。自分にとってそれは、疑う余地がなかった。

その人が、2024年、新体制になって以降のアイドルとしての活動を、楽しいと思えるか自信がない、でもとりあえずやってみる、という状態は、見たことがない、未知の、想像できない事態だった。
「1%」しか、楽しいと思える可能性が、ない、かもしれない、だと???



私にとってのあの発表のいちばんのインパクトは、つまりそれだった。

つくづく激単推しでしかない。でもまあ、単推し的な推し方をしているファンもきっと、気まぐれプリンスに限らず、あのグループのメンバーにはそれぞれいるはずで、その1つのモデルケースだと思ってください。




そうねぇ、そこで、
「じゃあその先もぷんちゃんが心から楽しいって思えるように私が全力で応援する」、
って言えない自分は弱いなぁ、と思う。
弱いというか、これはまあ逆の話として、悪魔と契約して自分もそこに積み込んで賭けをするみたいな推し方は、それはそれで別の、あの時その人にしかできなかったなと思っているところがあり、

ただ、

「お互い年老いたようだ 最期まで寄り添ってくれるかい」という『庭の樹』の推しの歌割が、私はとても好きです。
私を「推しのいる人生」にさせたのは、貴方なので。

その先のアイドル人生を、貴方が楽しいと思えたとしても、楽しめているのか自問自答する日があっても、迷ったり、諦めることがあっても、上手くいかないことがあっても、苦しい時があっても、

それがたとえ幸せでも、そうではなくなる日が来ても、

最期まで見届けると決めた。貴方が「賭ける」というなら、その賭けの行方を、終わりまで。




長い旅になるなぁ。
何となくゆっくり帰りたくて、帰りは陸路にしたんだけど、まだ半分近くあるってさ。



2022.6.26 帰路